病気やケガで入院や療養をしている方へのお見舞い、そして快復された方への快気祝い。これらは日本の大切な文化ですが、適切なマナーや贈り物選びに迷う方も多いでしょう。相手の状況を思いやりながら、心のこもった対応をするためのガイドをご紹介します。
お見舞いのマナーと心得
タイミングを見極める
お見舞いで最も重要なのはタイミングです。入院直後や手術直後は避け、容体が安定してから伺うのが基本です。家族に事前に連絡を取り、面会可能な時間帯や本人の体調を確認しましょう。また、感染症などで面会制限がある場合は、それに従うことが大切です。
面会時の配慮
病室での滞在時間は30分程度を目安にし、相手の様子を見ながら調整します。大きな声で話したり、複数人で押しかけたりするのは避けましょう。また、病気に関する詳しい質問や治療法の提案など、デリケートな話題は控えめにするのがマナーです。
お見舞いの品選びのポイント

避けるべきもの
花について
- 鉢植えの花:「根付く=寝付く」を連想させるため
- 菊の花:仏花のイメージがあるため
- 香りの強い花:病室では迷惑になる場合が多い
- 花粉の多い花:アレルギーや衛生面で問題となる可能性
食べ物について
- 生もの:衛生面でリスクがある
- 日持ちしないもの:食べきれない可能性
- 医師から食事制限を受けている可能性のあるもの
その他
- 縁起の悪い数字(4、9など)に関連するもの
- 刃物類:「切る」を連想させるため
適切なお見舞い品
定番で安心なもの
- 切り花(上記の注意点を踏まえたもの)
- フルーツ(日持ちするもの、食べやすいもの)
- お菓子(個包装で日持ちするもの)
- 現金(お見舞い金)
実用的で喜ばれるもの
- タオル類(清潔感があり、何枚あっても困らない)
- パジャマや下着(入院が長期の場合)
- 読み物(雑誌、文庫本など軽いもの)
- 音楽プレイヤーやタブレット(デジタルに慣れている方へ)
心を込めた手作りのもの
- 手作りのお守り
- 写真アルバムやメッセージブック
- 手編みの小物(マフラー、帽子など)
お見舞い金の相場
関係性によって金額は変わりますが、一般的な相場は以下の通りです:
- 家族・親族:5,000円〜10,000円
- 親しい友人:3,000円〜5,000円
- 同僚・知人:3,000円程度
- 近所の方:1,000円〜3,000円
のし袋には「御見舞」と書き、水引は紅白の結び切りを使用します。
快気祝いのマナー
快気祝いとは
快気祝いは、病気やケガが治った際にお見舞いをいただいた方への感謝を込めて贈るものです。「病気を流す」という意味で、消え物(食べ物や消耗品)を贈るのが一般的です。
贈るタイミング
退院してから1週間〜1ヶ月以内に贈るのが適切です。体調が完全に回復してからで構いませんが、あまり遅くなりすぎないよう注意しましょう。
快気祝いの品選び
定番の贈り物
- 石鹸や洗剤(病気を洗い流すという意味)
- タオルや寝具
- 食品(お米、調味料、お菓子など)
- カタログギフト
金額の目安 いただいたお見舞いの品や金額の3分の1から半分程度が相場です。あまり高額になりすぎないよう注意しましょう。
のしとメッセージ
のしには「快気祝」または「快気内祝」と書き、水引は紅白の結び切りを使用します。お礼状には、お見舞いへの感謝の気持ちと、おかげさまで回復したことを報告しましょう。
現代における配慮点
感染症対策
コロナ禍以降、病院での面会制限が厳しくなっています。直接お見舞いに行けない場合は、電話やメール、手紙でお見舞いの気持ちを伝えることも大切です。
プライバシーへの配慮
SNSでの投稿やお見舞いの報告は、本人や家族の了承を得てから行いましょう。病気のことは非常にデリケートな個人情報です。
働き方の変化
在宅ワークが増えた現在、自宅療養の場合のお見舞いについても配慮が必要です。訪問は控え、代わりに宅配でお見舞いの品を送ったり、オンラインでお見舞いをしたりする方法も増えています。
まとめ
お見舞いや快気祝いは、相手の状況に寄り添う思いやりの表現です。形式的なマナーも大切ですが、何より相手の気持ちや状況を考えて行動することが最も重要です。直接お見舞いに行けない場合でも、心配している気持ちを伝える方法はたくさんあります。
時代とともにお見舞いの形は変化していますが、人を思いやる気持ちは変わりません。この記事を参考に、相手に喜ばれる心のこもったお見舞いや快気祝いを心がけてください。
コメント